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会社に不満?座談会で今の自分を見つめ直す貴重な経験!
受賞タイトル
【自信体験賞】20年の勤務経験と2時間の座談会
もくじ
受賞者プロフィール
年齢:50歳
性別:男性
職業:会社員
未既婚:既婚
座談会を前に自分の会社に思うこと
精密機器メーカーに勤めていて、IT関連の部署で社内システムの運用管理も担当していることもあって、クラウドサービスに関する座談会に参加させていただきました。
実は、これまでの自分は自社のIT関連のレベルが他社に比べて非常に低いものだと思っていました。世間ではいろいろ進んだ技術の事を聞き、少し前まではIT関連専門用語と思われていた言葉も定着してきた今日この頃ですが、自社では…。クラウドの導入は消極的で、AIやビッグデータ解析などには殆ど着手していない、各社員がタブレットやスマホを持つことも基本的には認められず、それどころかノートPCさえ購入するには非常に高いハードルがあり、Wifiの環境も整備されていない…。さらに、人員不足が極めて深刻な状況ではあるのに、逆に人を減らすように上からは求められ、社外委託や派遣社員など外部リソースを活用することも許されない、という状況を考慮すると、もともと経営層は結構な年齢の人ばかりなのでIT関連には詳しくなく、懐疑的でブレーキばかりかける存在とさえ思うようになっていました。
劣等感からのスタート
当然、座談会ではその状況を正直に説明をしました。ITに携わる者としては自社のレベルが低いことは少し恥ずかしい気がしますし、本当だったら自分の所属組織のことをよく見せたいという思いがありましたが、「それが真実なので…」と思いながら話したことはよく覚えています。他の参加者の方の話しを聞くと、やっぱり進んでいる会社ばかり。それが、またさらに恥ずかしい気持ちを増してきます。この座談会に自分のような低いレベルの会社に勤める者が出席するのは場違いではないのか?と強烈に思ったことも鮮明に覚えています。
座談会は進むと各自が発言した内容をもとに、それぞれの方針・進め方のメリットとデメリットをまとめることになりました。自分の発言した内容は出来れば流して欲しいのに、またホワイトボードに書かれてみんなに晒されるのかと、トドメをさされる気持ちもしましたが、もう今となっては他の参加者にどう思われてもいいかという落ち着きも出てきましたし、これまでとはちょっと変わった視点から発言内容をもう一度整理するなんて珍しいな、と客観的にこの座談会を俯瞰できている気にもなって、気分を一新して話し合いを再開。
忘れられない経験
不思議なことにそこからの1時間は忘れられない経験になりました。みんな、自分のことは良い点を中心に説明する傾向があるのか、あえてデメリットを考えて言ってもらうと、出てくる出てくる…。逆に自分は悪い点を中心にこの座談会の前半で説明してきましたが、他の参加者がデメリットと言っていることが全て自分の会社においてはメリットとなってあてはまる。目から鱗が落ちる、とはこういうタイミングなのかもしれません。それぞれの会社にはそれぞれの事情があって絶対的な、どれが良い、どれが悪い、は無い事に気付かされました。世間の流行りや進んでいる技術が必ずしもいいのではなく、大事なのは自分たちの事情に合っているか、合っていないか、だという事も。
他の人の意見を聞いて今の自分を見つめ直す
座談会とは自分のことを教えてあげる、そう思い込んでいましたが、座談会とは他の人の意見を聞いて今の自分を見つめ直す・教えられる、そんな場なんだと今は思います。あれ以来、自分の会社のIT環境に不満を言うだけではなくなり、自信を持って働けるようになりました。この歳になってあのような経験は非常に貴重でした。遅ればせながら、あらためて感謝を申し上げます。本当に貴重な体験をありがとうございました。